作詞に使えるテーマの決め方・見つけ方のコツを一覧で解説!

 
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 こんにちは。歌い手&作詞作曲DTMerのLettyです。

初心者が作詞をする時、「どんなことを書けばいいのかわからない…」と、困りがちです。何が言いたいのかわからない歌詞になってしまったり、抽象的な表現になってしまったりすることもあると思います。

しかし、きちんと順を追って内容を決めていけば、そんなに難しい作業ではありません。

そこで今回は、作詞をする時のテーマの決め方のコツや、よく使われるものなどを紹介していきます。

定番でよく使われる作詞のテーマ一覧

作詞のテーマは無限にあるので、挙げればきりがありません。しかし、その中でも一般的によく使われている大きなテーマを、16個紹介します。まずは、この中から「作ってみたいな」と思うテーマを選んでみましょう。

・恋愛

・友情

・青春

・応援

・夢、目標

・人間関係

・テーマソング

・感謝

・祝福

・決意

・日常生活

・絶望、孤独

・ストーリー

・季節、情景描写

・場所、地名

・音楽ジャンル

それぞれについて、詳しく解説していきます。

恋愛

例えば、恋愛をテーマに選んだとします。ただ、恋愛といっても人によって様々な状況が存在しますよね。

片思い・両想い・告白・プロポーズ・結婚・失恋・恋人との喧嘩・すれ違い・出会い・別れ・再会・素直になれない気持ち・強がる気持ち・感謝・言いたいけど言えない気持ち・バレンタイン・クリスマス…など、ざっと挙げるだけでもこんなに存在します。

このように、「恋愛」という大きいテーマから、更に小さいテーマを作るのです。こうすることによって、より設定が具体的になっていきます。

友情

例えば、友情をテーマに選んだとします。

そこから、仲良くなったきっかけ・親友との絆・感謝・喧嘩・謝罪・一緒に成長してきたこと・ライバルだけど大切に思う気持ち…などのように、より細かくテーマを絞っていきます。

青春

誰もが経験する、青春をテーマにするのもおすすめです。

そこから小さいテーマを作るとしたら、学校や部活での出来事・甘酸っぱい恋、出会い、卒業、友達とふざけ合ったこと、好きな人との帰り道・忘れたい黒歴史…など、学生時代特有の出来事なども歌詞にできます。

応援

誰かを応援したいという気持ちが歌詞にされることもよくあります。例えば、野球やバレーボールなどの応援ソングのようなものがありますね。

スポーツの曲でなくても、いろいろあります。例えば、ZARDの「負けないで」という曲も応援系のテーマになります。

辛そうな誰かを応援する・頑張っている人を応援する・自分を応援する・病気と闘う人を応援する・受験・試合・スポーツ…などと、発想を広げます。

夢・目標

夢というと大きなことのように思えるかもしれませんが、小さな願望や「こうなったらいいな」と思うようなことでも歌詞にできます。例えば、「誰かの救いになりたい」「好きな人と結ばれたい」「音楽で勇気を与えたい」など、何でもいいのです。

人間関係

人間関係にも、いろいろあります。

親子・友達・親友・恋人・仕事や学校の人間関係・趣味で出会った仲間など、様々です。それらの関係性や伝えたいことを書くのもよいでしょう。

テーマソング

わかりやすいのは、アニソン・ドラマ・映画の主題歌とかですね。その題材に沿った歌詞で書かれているので、そのアニメ・ドラマ・映画などを見ている人にとって、歌詞の意味が伝わりやすかったりします。

何かのテーマがある場合は、その作品の中で言いたいことや重要なこと、描かれている状況などを歌詞にします

感謝

親や友達への感謝・恩師への感謝・人生を変えてくれた人への感謝・些細なことに対する感謝・置かれている状況や環境への感謝・天国の誰かへ向けた感謝・神様への感謝など、何かに対する「ありがとう」という気持ちを歌詞にします。

祝福・成功

わかりやすい例だと、ウェディングソングやバースデーソングなどがあります。おめでたい事、喜ばしいこと、お祝いなどをテーマにしてみるのもありです。

決意

「私はこんな風に生きたい!」「何としても自分のポリシーを貫く!」「これだけは譲れない!」「絶対にこうなってやる」といったような、強い決意や意志のようなものを歌詞にするのもいいでしょう。

例えば、miwaさんの「don’t cry anymore」という曲は、ドラマの主題歌ではありますが、自分自身に対して「私はもう泣かないんだ」というような決意を歌っているような歌詞になっています。

日常生活

家族やペット・仕事・趣味など、何気ない日常の中で思うことを歌詞にしてみるのもいいです。

例えば、「毎日だらだら過ごしてるだけで、この先の自分はどうなってしまうんだろう…?」といった不安とか、そんなものですら歌詞になります。日常の中で思うことや、誰かが考えそうなことなどを言葉にしてみましょう。

絶望・孤独

絶望や孤独というテーマも、よくあります。

例えば、大切な人をなくした・いじめられた・生きていくのが辛い・友達がいなくて寂しい・一人ぼっち・頼れる人がいない…など、今にも逃げ出したいような気持ちを歌詞にするのもおすすです。

ストーリー

例えば、曲の中で物語が作られているような歌詞もあります。実際に存在しなくても、架空の人物を登場させて物語を作ってもいいわけです。

1曲を通して1つの物語を作るようなイメージで、ストーリーを作るのです。最初から最後まで自分でストーリーを考えることで、オリジナリティも出せるのでおすすめです。

季節、情景描写

季節などをテーマにして作られている曲もあります。例えば春であれば「桜」、冬であれば「雪」などのように、季節を表す季語を歌詞の中に取り入れることにより、聞き手が状況を想像しやすくなります。

(例)

春→「SAKURA」いきものがかり

夏→「イケナイ太陽」/ORANGE RANGE

秋→「茜色の約束」いきものがかり

冬→「メリクリ」/BoA

etc…

場所、地名

場所や地名も、テーマにできます。皆さんも、タイトルや歌詞に地名の入った曲を聞いたことがあるのではないでしょうか。

(例)

「津軽海峡・冬景色」/石川さゆり

「丸の内サディスティック」/椎名林檎

「TOKYO」/YUI

etc…

ポップスなどでもあるのですが、地名の入った曲は演歌に多い印象があります。

特定の音楽ジャンル

「◯◯のブルース」「◯◯のバラード」「◯◯ロック」などのように、特定の音楽ジャンルをテーマにする場合もあります。

(例)

「ROCK-mode」/LiSA

「歌うたいのバラッド」/斉藤和義

「じぶんROCK」/ONE OK ROCK

etc…

このように、自分の好きな音楽ジャンルをテーマにして歌詞を書いてみるのも良いでしょう。

世界観を広げるための視点の決め方

書きたいテーマが決まったら、誰目線の視点で歌詞を書くのかを考えてみましょう。誰の目線かによって、その曲や歌詞の見え方が変わってきます。

例えば、恋愛の歌詞だとすると、男性目線なのか女性目線なのかによってかなり雰囲気が変わります。それだけでなく、第三者から見た視点などでもいいのです。

・僕、私

・君、あなた

・僕たち、私たち

・第三者(俯瞰した目線)

etc…

このように、どの方向からの視点で書くのか、いろいろと考えてみると面白いです。その中で、自分の書きたいと思う視点を探してみてください。そうすることによって、たくさん作詞をするうちに、テーマが似通っていても同じような歌詞ばかりにならずに済みます。

セクションごとの書き方

テーマをざっくりと決めたところで、次は曲の構成に合わせて歌詞を作っていかなればなりません。曲には、セクションという区切りがあります。その区切りごとに、歌詞の場面も変わっていきます。

このように、曲の区切りごとに歌詞の場面も展開させていくことで、ストーリー性を持たせることができます。大まかに分けると、以下の4つに分けて作っていきます。

・サビ

・Aメロ

・Bメロ

・1番と2番の書き分け

それぞれについて、解説します。

サビ

曲の中で、サビというのは一番伝えたいことや言いたいことを入れるセクションです。

まずは、一番最初にサビを作るのがおすすめです。なぜなら、サビというゴール地点に向かって、そこにたどり着くようにAメロやBメロなどの他の部分を作っていくことで、「何を書けばいいのだろう…?」という迷いを減らすことができるからです。

例えば、失恋系の曲を作りたいとします。そして、付き合っていた恋人同士が別れてしまったという設定にしましょう。女性側の「もう一度彼に会いたい」という気持ちが曲の中で一番に伝えたい内容だとしたら、そのことを主体にしてサビを作ります。

また、サビの場合は遠回しな言い方ではなく、ストレートな表現をする方が言いたいことが伝わりやすいです。しかし、ストレートな表現ばかりだといずれネタ切れになってきます。そのため、「〇〇のように」「〇〇みたいな」などの比喩を使うのもおすすめです。

(例)

・あの時のように、突然後ろから驚かせに来て欲しい

・星と星が巡り合うみたいに、私を強く引き寄せてほしい

・コーヒーとミルクのように混ざり合えたらいいのに

etc…

Aメロ

サビができたら、今度はAメロとBメロを作っていきます。

先程も説明しましたが、サビというのがゴール地点になります。サビに繋げるように、それまでの経緯や気持ちの変化などをAメロやBメロで表現していきます。

主にAメロでは、どんなシチュエーションなのかなどを書くのがおすすめです。物語でいうと起承転結の「起」の部分になります。

例えば、先程のサビでは「もう一度彼に会いたい」というのが一番伝えたいことでしたよね。そうすると、Aメロでは最初の出会いの状況や楽しかった頃の思い出などを、落ち着いた印象で描いたりします。

内容で言うと、例えば「2人で〇〇へ行った」とか「あの場所に君がいた」など、そういったことを書いてみるのも良いでしょう。Aメロの場合は、少し難しい表現が含まれていても良い感じに聞こえます。そのため、語彙力や言葉の引き出しを増やすことも大切です。

(例)

・君の匂いが染み付いたこの部屋、あの頃は一人でも寂しくなかった

・桜の花びらが散る中に、美しい君を見つけた

・2人で歩いた帰り道、よく一緒に傘をさして帰ったね

etc…

Bメロ

Bメロは、Aメロからサビに至るまでの繋ぎの部分になります。Bメロが存在しない曲もありますが、今回はあると仮定した場合で書き方を説明します。

Bメロでは、回想シーン・心の内・「こうなってほしい」などの願望・思いなどが当てはめやすいです。

例えば、先程の失恋のテーマでいくと、女性の心境や少しずつ不安になっていくような気持ち、別れの辛さなどを表現してみます。

内容で言うと、例えば「離れたくない」とか「受け入れられない」とか「こんな日が来るなんて思わなかった」などの気持ちを書きます。そこから、サビの「もう一度彼に会いたい」という感情に繋げていくわけです。

(例)

・変わらず、ずっと隣にいてくれると思っていたのに

・心臓を突き刺されたようなこの痛み、早くなくならないかな

・君がいなくなってから、心にぽっかり穴が空いたようだ

etc…

全体を通してみると、

Aメロ:出会いのシチュエーション

Bメロ:突然の別れ

サビ:もう一度会いたいと強く願う気持ち

このような感じで構成が出来上がります。今回は失恋のテーマを例にしましたが、他のテーマでも同じようにサビから順に作っていくと、スムーズに進めることができます。

1番と2番の書き分け

よくあるのが、1番の歌詞を書き終わった後、2番で書くことがなくなってしまうというパターンです。1番よりも、2番の歌詞を作る方が難しいです。そのため、ネタ切れになってしまわないように、全体の構成を考えることが大事です。

例えば、1番と2番の書き分けとしてよくあるのが、

・1番を女性目線で、2番を男性目線で書く

・過去と未来に分けて書く

・子供の時と、大人になってからの視点に分けて書く

・季節を変えてみる

などです。このように、視点や時間軸などを変えてみるだけで、2番の歌詞が作りやすくなります。

テーマの組み合わせ

ここまで多くのテーマの例を紹介してきました。1つだけでも十分作詞は可能ですが、ずっと1つだけのテーマで作詞をしていると、似たような曲ばかりできてしまうということがあります。そのようにマンネリ化してしまった場合は、テーマを組み合わせるということをやってみてください。

しかし、あまり多くのテーマを組み合わせすぎると、伝えたいことが伝わりづらくなります。なぜなら、あれもこれもと詰め込んでしまうことで、「これがテーマです」というような強いインパクトがなくなってしまうからです。

そのため、先程紹介したような大きなテーマの中から組み合わせるとしたら、2つまでにしましょう。

どうしてもテーマが見つからない時の見つけ方・対処法

テーマというのは、ここまで紹介してきたものだけでもかなり多く存在します。作詞というのは、何を書いたっていいのです。それでも、「どうしても作れそうなものが見つからない」という時の対処法を3つ紹介します。

・マイナスの感情を意識してみる

・映画やドラマからヒントを得る

・作詞と全然関係ないことをしてみる

それぞれについて、詳しく解説します。

マイナスの感情を意識してみる

・悲しい

・辛い

・苦しい

人は、ポジティブな感情よりもこれらのマイナスな感情の方が、「誰かにわかってもらいたい!」「共感してほしい!」「助けてほしい!」と、強く感じやすいです。

例えば、世の中に失恋ソングが多く生み出されているのは、このような共感の感情を抱きやすいためです。何を書けばいいのかわからない、と行き詰まってしまった時は、このようなマイナスの感情に目を向けてみましょう。

あなたも、人生の中で辛いことや嫌なことが全くなかったということはないはずです。自分の経験をもとに書かなければならないということはないですが、今まで生きてきて辛かったことや悲しかったことを思い出してみると、テーマを見つけるヒントになりやすいです。

映画やドラマからヒントを得る

 

映画やドラマを見ることで、そこからインスピレーションを得られることがあります。自分では思いつかないような発想やストーリーなど、見ていくうちにテーマにできそうなものが見つかるはずです。

登場人物の気持ちになりきって、どんな気持ちなのかなどを考えてみるといいです。また、映画やドラマには登場人物がたくさん出てきたりするので、主人公に限らず色々な視点から捉えることもできます。

映画やドラマというのは、見ているだけでも感情移入して泣けてきたり、嬉しくなったりもします。このように、自分自身も感情が動きやすいので、作詞の発想を得るのにはとてもおすすめです。

作詞と全然関係ないことをしてみる

全く何も思い浮かばない時は、一旦やめて違うことをしてみるというのもおすすめです。

例えば、シャワーを浴びてぼーっとしてみたり、散歩をしてみたりするという人も多いです。ぼーっとしている時に何かを思いつくこともあれば、散歩をしている時に人間観察をしていると見えてくるものがあったりします。

このように気分転換をすることで歌詞ができてくることもあるので、自分に合った気分転換の方法を探してみましょう

まとめ

ここまで、作詞のテーマの決め方・見つけ方についての解説を行ってきました。

・大きなテーマを決める

・大きいテーマを決めたら、更に小さいテーマを作って掘り下げていく

・誰目線なのか、視点を定める

・セクションごとに、書く内容を決める

・テーマは組み合わせてもいい

また、どうしてもテーマが決められない時は、

・マイナスの感情に目を向ける

・映画やドラマからヒントを得る

・作詞と全然関係ないことをしてみる

今回紹介したように、大きいテーマからだんだん掘り下げていくことで、設定が明確になり、書くべきテーマが見つかりやすくなります。そうすると、言いたいことがはっきりしてくるので、聞き手への共感にも繋がりやすくなります。

是非、この方法で作詞を試してみてください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 
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